静岡県島田市金谷古横町に佇む医王寺薬師堂は、地元の人々に長年親しまれてきた寺院です。
曹洞宗の寺院であり、その歴史と文化的価値、そして御利益で訪れる人々を魅了し続けています。
今回は、この静かな薬師堂の魅力に迫ってみましょう。
1. 医王寺薬師堂の歴史と特徴
医王寺薬師堂は、島田市金谷古横町に位置する曹洞宗の寺院です。
空海(弘法大使)が諸国旅行の途中、この地に立ち寄った時、薬師如来の霊告を受け、自ら「薬師如来」を彫作し開眼、安置したのが「医王寺薬師堂」の始まりといわれています。
現在の薬師堂は元禄5年(1692)に再建(過去2回火災で焼失)されたもので、後に向拝(正面の軒)が付け加えられ明治時代には杮葺(こけらぶき)を棧瓦(さんがわら)葺に変える等の改造を行いましたが、全体的には建立のままで保存されているそうです。
「医王」という名前が示すように、この寺院は古くから薬師如来への信仰が篤く、地域の人々の健康と癒しを守る存在として親しまれてきました。
2. 文化財としての価値
医王寺薬師堂の特筆すべき点は、その文化財としての価値です。
内陣と外陣の天井には、永村茜山による「雲龍の図」、「天女図」、「樹木と花卉図」が描かれており、これらは県指定文化財(絵画)となっていて見学することもできます。
永村茜山の筆による繊細かつ豪華な描写は、江戸時代後期の絵画技術の高さを示すとともに、仏教美術の伝統を色濃く反映しています
現在の建物は、1692年に再建されたもので、4枚の屋根がすべて三角形になる「宝形造」の仏堂です。
3. 参拝のポイント
医王寺薬師堂を参拝する際は、本堂内の永村茜山の絵画をじっくりと鑑賞することをおすすめします。
また、薬師如来に健康と長寿を祈願する際は、心を込めて手を合わせましょう。
寺院の静かな雰囲気を楽しみながら、心身ともに癒される時間を過ごすことができるでしょう。
4. アクセスと周辺情報
医王寺薬師堂へは、JR金谷駅から徒歩約10分でアクセスできます。
周辺には他の寺院や神社もあり、島田市の歴史と文化を感じられる散策コースを楽しむこともできます。医王寺薬師堂は、その歴史的価値と信仰の深さ、そして特別な御利益で多くの人々を魅了し続けています。
島田市を訪れた際には、ぜひこの隠れた宝庫を訪れ、心身の癒しと御利益を求めてみてはいかがでしょうか。