静岡県島田市大草に佇む天徳寺は、曹洞宗の古刹として知られ、その歴史と美しい景観で訪れる人々を魅了し続けています。
南北朝時代末期に創建されたこの寺院は、駿河、遠江における曹洞宗最初の寺院とされ、様々なご利益を求める参拝者で賑わいます。
天徳寺の歴史と由緒
徳寺は1390年、豊後(現在の大分県)の国東半島妙徳山泉福寺の僧、大通融士によって開かれました。当初は現在地から北方4キロの山中にありましたが、江戸時代初期の寛永年間に現在の場所に移転しました。
寺の歴史は曹洞宗の広がりと共に歩んできており、この地域の精神文化の中心として重要な役割を果たしてきました。
天徳寺の山茶花
天徳寺の最大の見どころは、昭和31年に県指定文化財に登録された山門です。和様切妻破風四脚門という様式で、江戸時代の寺院建築の美しさを今に伝えています。
また、境内には山茶花が美しく咲き誇り、「山茶花の名所」としても知られています。
山茶花は、晩秋から初冬にかけて咲く美しい花で、特に日本の庭園や寺院でよく見られます。
花はツバキに似ていますが、散り方が異なり、山茶花は花弁が落ちるのが特徴です。
天徳寺の山茶花の開花時期は、10月下旬~12月中旬位まで白、ピンク、赤の山茶花が咲きます。
参道の白い山茶花は一斉に咲きそろうのではなく、代わるがわる愛らしく小さな花をつけ
咲いていきます。
色とりどりの花が咲き誇る姿は、訪れる人々に癒しを与えます。
これらの景観は、訪れる人々に心の安らぎをもたらし、精神的なご利益を感じさせてくれます。
天徳寺のアサギマダラ
天徳寺庭園のフジバカマが咲く時期(10月頃~11月中旬位まで)には、旅する蝶「アサギマダラ」も天徳寺庭園に羽を休めにきています。
アサギマダラは、翅に美しい浅葱色(あさぎいろ)の模様を持つ蝶です。
その名の由来もこの特徴的な模様から来ています。
日本全国で見られ、特に秋には、フジバカマなどの花で吸蜜する姿がよく観察されます。
アサギマダラの魅力
- 美しい羽: 翅の模様は個体によって微妙に異なり、その美しさは多くの人を魅了します。
- 長距離移動: アサギマダラは、数千キロメートルもの長距離を移動することで知られています。
日本列島を縦断するだけでなく、時には台湾まで渡る個体もいるそうです。 - マーキング調査: アサギマダラの移動ルートを調べるために、翅にマーキングをして放す調査が行われています。
- 毒を持つ蝶: アサギマダラの幼虫は、毒を持つ植物を食べて育つため、体内に毒を持っています。そのため、鳥などの天敵から身を守ることができます。
アサギマダラの生態
- 食性: 幼虫はキョウチクトウ科の植物を食草とし、成虫はフジバカマ、ヒヨドリバナなどのキク科植物の花の蜜を吸います。
- 寿命: 成虫の寿命は短く、数週間程度と言われています。
- 渡りのルート: 春は南から北へ、秋は北から南へと移動します。その移動ルートは、気象条件や個体によって様々です。
アサギマダラを観察する際のポイント
- 時期: 秋が観察のベストシーズンです。特に、フジバカマが咲く時期に多く見られます。
- 場所: 開けた場所で、フジバカマなどの蜜源植物が咲いている場所がおすすめです。
- 時間: 午前中や夕方が観察しやすい時間帯です。
天徳寺のご利益
天徳寺は、様々なご利益で知られています。特に以下のようなご利益が期待できます
- 心身の安らぎと癒し
- 精神修養と悟りの達成
- 家内安全と家業繁栄
- 学業成就と知恵の獲得
参拝のポイントと心得
- 山門をくぐる際、心を静めて境内に入る
- 本堂での参拝は、静かに手を合わせ、心を込めて祈る
- 境内の自然や文化財を大切にし、静かに鑑賞する
アクセス
天徳寺へは、JR島田駅からバスで約10分、「島田市民病院」下車後、徒歩約30分でアクセスできます。
車でお越しの場合は、島田金谷ICからのアクセスが便利です。
天徳寺は、その深い歴史と静謐な雰囲気、そして様々なご利益で、心身の癒しを求める人々を魅了し続けています。
島田市を訪れた際には、ぜひこの由緒ある寺院で、心静かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
島田市 #天徳寺 参道の #山茶花 開花状況は、
— (一社) 島田市観光協会 【公式】 (@shimada_ta) November 5, 2021
冠木門と山門付近のピンクの山茶花は良く咲き
蕾も沢山付けています。
参道半ば白い山茶花は、近年一斉に咲き揃わず
代わる がわるチラホラ、花を咲かせています
庭園の木々は🍁紅葉し #アサギマダラ も訪れ🦋
心静かに秋の景色をご覧頂けます☺#島田市 pic.twitter.com/UtxjumBTcg