島田市林入寺の奇跡の薬梅 – 寺に伝わる癒しの伝説

島田エリア

静岡県島田市の林入寺には、「薬梅」と呼ばれる不思議な梅の木が存在します。
この梅の木には、約250年前にさかのぼる興味深い伝説があり、
地域の人々に希望と癒しをもたらしてきました。
今回は、この薬梅にまつわる物語と、現在の林入寺の様子をご紹介します。

林入寺薬梅の伝説

林入寺 夢に現れた梅の木

約260年前、天王村の林幽寺(現在の島田市祇園町・林入寺)の和尚さんは、
ある夜不思議な夢を見ました。
夢の中で、本堂の前に一本の梅の木が生え、美しい花を咲かせていたのです。
翌朝、和尚さんが本堂に向かうと、驚いたことに夢で見た通りの梅の木が、
枝を下向きにして立っていました

流行病と御本尊の啓示

ある年、島田の宿に恐ろしい流行病が発生し、多くの人々が苦しんでいました。
医者の手が足りず、人々は困り果てていました。
そんなある夜、和尚さんの夢枕に寺のご本尊が現れ、
「庭の梅の花と葉を煎じて飲ませれば、流行病が治るだろう」
と告げました。

林入寺 奇跡の治癒力

和尚さんは早速、この啓示を宿場の人々に伝えました。
多くの人々が寺に押し寄せ、梅の花と葉を求めました。

和尚さんは花と葉がなくなることを心配しましたが、
不思議なことに、いくら摘んでもなくなることはありませんでした。
梅の葉と花を煎じて飲んだ病人たちは、たちまち回復し、
人々は喜んで寺にお参りするようになりました。

現在の薬梅

林入寺 紅白の花を咲かせる薬梅

昭和35年頃、元の薬梅が一度枯れかけたそうです。
しかし、紅梅を接ぎ木することで命をつなぎ、
現在では上が赤く、下が白い紅白の花を咲かせる
珍しい梅の木となっています。

林入寺 御本尊と薬梅の実

林入寺の本堂には、枯れる前の梅の実も大切に祀られています。
これらの梅の実は本堂奥のケースの中に安置されており、
数年に一度だけ見ることができるそうです。

林入寺 イチョウの木

林入寺には大きなイチョウの木があり、
特に秋には美しい黄葉を楽しむことができます。
林入寺では、イチョウとモミジが同時に色づくことがあり、
その光景は非常に美しいと評判です。
特に秋のシーズンには、紅葉とイチョウの葉
共演する風景が多くの写真愛好家に人気です。

林入寺 御朱印

林入寺では毎月、限定御朱印があります。
2025年1月は巳年に合わせて『巳』の文字で
2025年2月は禅語『雪裡梅花只一枝せつりのばいかただいっし』
梅の花は厳しい冬を耐え忍んで
暦の上で春になる頃に綺麗な花を咲かせます。
その耐え忍んで咲かせるその梅の花の姿は
様々な苦難に耐えた先に真実を掴む
ことができるという意味だそうです。

まとめ

島田市の林入寺に伝わる薬梅の物語は、
希望と癒しの象徴として今もなお人々の心に残り続けています。
約250年前の奇跡の出来事から始まり、
現在も紅白の花を咲かせ続ける薬梅は、
地域の人々の信仰の対象となっています。
林入寺を訪れる際には、この不思議な梅の木を見学し、
その歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
また、季節ごとに変わる御朱印を頂くのも、
林入寺参拝の楽しみの一つです。
薬梅の物語は、困難な時代を乗り越えてきた人々の強さと、
自然の持つ癒しの力を私たちに教えてくれます。

アクセス

電車でのアクセス

  • 島田駅: 北口から徒歩約10分(約1km)
  • 六合駅: 北口から徒歩約29分(約2.4km)
  • 新金谷駅: 徒歩約55分(約4.6km)

バスでのアクセス

  • 最寄りバス停: 島田六丁目バス停から徒歩約1分
  • 他にも本通六丁目や本通五丁目のバス停が近くにあります。

車でのアクセス

  • 駐車場も完備されています。周辺には複数の駐車場があり、
    例えばぴーファイブ駐車場は徒歩約3分の距離です。

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