静岡県島田市に架かる蓬莱橋は、長さ897.4メートルの世界一長い木造歩道橋。
単なる橋ではなく、歴史と文化が詰まった感動的な観光スポットなのです。
その壮大な景色と興味深い物語に迫ります。

蓬莱橋の基本情報
全長897.4メートル、幅2.4メートルの木造歩道橋で、1879年に完成しました。
「厄なし(8974)の橋」「長生き(長い木)の橋」とも呼ばれ、
1997年にギネスブックに認定されています。
蓬莱橋往復で歩いて30分~40分くらいかかります。
歴史的背景
旧幕臣が開拓した牧之原台地と東海道の島田宿を結ぶために建設されました。
蓬莱橋は牧之原台地の開墾のため、明治12年に架けられた農業用の橋です。
橋が架けられる前は大井川を小船で渡らなければならず、増水するたび行き来するのに
危険を伴っていました。
大井川の氾濫により何度も改修を重ね、現在は橋脚部分がコンクリート製になっています。

蓬莱橋の名前の由来
- 1870年(明治3年)4月13日、静岡藩七十万石の藩主となった
徳川亀之助(後の徳川家達)が、藩内の志太・榛原・小笠の三郡を視察しました。 - 視察中、徳川亀之助は谷口原(現在の牧之原台地)を訪れ、
そこで開拓に従事していた元幕臣たちと面会しました。 - 徳川亀之助は、開拓者たちを激励するため、
「農は里の宝、向こうの山は宝の山、みなで力をあわせ宝の山を切り開けよ。」
と谷口原を指さして言いました。 - この「宝の山」という表現が、中国の神仙思想に登場する理想郷
「蓬莱山」と結びつけられました。 - 1879年(明治12年)1月に橋が完成し、名前を付ける際に、
この逸話が思い出されました。 - 町内の識者が「藩候が谷口原を宝の山とおっしゃったことがある、
それにちなんで『蓬莱橋』にしたらどうか。」と提案し、採用されました。 - 1879年1月13日付けで、正式に「蓬莱橋」という名前が決定しました。
このように、徳川家達(当時は亀之助)の激励の言葉が、橋の名前の由来となったのです。
観光スポットとしての魅力
通行料は大人100円、子供10円と格安で、
年間約10万人が訪れる人気スポットです。
橋の特徴として以下のポイントがあります。
観光のみどころ
- 5月末に開催される「蓬莱橋ぼんぼり祭り」では、
夜間にライトアップされ幻想的な景色を楽しめます - 映画やドラマのロケ地として多数使用され、メディアでも注目されています
- 大井川の雄大な景色を眺めながら散歩できる絶景スポット
- 蓬莱橋はゆるキャン△第63話、なでしこたちが大井川を旅する最後の場所として
蓬莱橋を訪れています。
撮影スポット
- 橋の中央付近は写真撮影に最適(天気がいい日には富士山が見えます)
- 季節によって変わる景色(新緑、紅葉、雪景色)が魅力的
- ゆるキャン△に出てくる、橋のすぐそばにある「蓬莱橋897.4(やくなし)茶屋」
でお茶を飲むシーンがあります。 - 蓬莱橋の駐車場もかなり広く、橋を下から写真を撮っても写真映えします。
縁起の良い語呂合わせ
蓬莱橋の全長は897.4メートルです。
この「897.4」が「やくなし」と読めることから
「厄無し」の意味に繋がり、
縁起の良い橋として親しまれています。
また、「長い木の橋」が「長生きの橋」
に通じるという語呂合わせもあります。
まとめ
蓬莱橋は単なる橋ではなく、歴史と文化が息づく静岡の宝物。
世界一長い木造歩道橋としてギネスにも認定され、観光客を魅了し続けています。
静岡を訪れる際は、ぜひこの感動的な橋を歩いてみてください。
